和泉くんの考えてることはわからない。
「教室、今日くらいは一緒に行ってやってもいいけど」
「…っ!!本当!?」
なんて、そんな気まぐれで奴から彼女を引き離す。
「じゃあ慎くん、またね!」
「え、ちょ…っ、栞里ちゃん!?」
後ろで花宮さんを呼ぶ声が聞こえるけど、そんなの御構い無し。
「行くよ、花宮さん」
「待って!和泉くん!」
あいつよりも俺を優先して追いかけて来てくれることに、俺は謎の満足感を得ていた。