和泉くんの考えてることはわからない。
「なんか和泉くん、今日不機嫌だから…」
そう言う花宮さんはきっと、自分のせいで俺が怒ってると勘違いしている。
実際は全然怒ってないというのに。
「別に怒ってないよ。花宮さんには」
「私、には?」
「うん、そう」
正直、昨日のあの従兄弟にはまだ若干イラついてるけど。
でも、花宮さんに怒る理由なんて全くない。
「そ、そっか…。よかったぁ〜」
そう言えば、目の前の彼女は安堵したかのように笑みをこぼした。