和泉くんの考えてることはわからない。
普段は、めんどくさいとしか思わないのに。
しつこい子、元気な子。そんなことしか思わないのに。
不意に、彼女を思い切り甘やかしてみたいという衝動に駆られてしまう。
俺の言動一つ一つに分かりやすい程に反応をする彼女を、もっと俺で頭いっぱいにさせたいと思ってしまっていた。
「それなら、」
手を伸ばして、彼女の顎をクイっとあげる。
バチっと目が合って更に顔を赤くする彼女に、フッと溢れた笑み。
「もっと俺で一喜一憂しなよ」
それで、俺のことしか考えられなくなればいい。