和泉くんの考えてることはわからない。
一体全体何だというんだ。
『もっと俺で一喜一憂しなよ』
………この前のあれは、もしかして夢だったんだろうか。
和泉くんがいつもにも増して意地悪に笑っていたあの時間は、まさか私の幻覚?
「おは───…って、どうしたの栞里!」
「うー、早苗〜っ」
「え、ちょ…っ、何よ!」
タイミングよく教室に入ってきてくれた早苗に、思わず飛び付く。
もう本当に、和泉くんが何を考えているのか分からなかった。