和泉くんの考えてることはわからない。
一体、和泉くんのこの気まぐれはどこから来るんだろう。
イジメっ子……とは違うことくらいはわかる。
何というか、完全に遊ばれているような。
「この席も悪くないね」
「な、何とも言えないのが悔しい…!」
集中できなくて嫌なはずなのに、和泉くんと席が前後なことは嬉しくて。
「和泉くんズルい!」
「花宮さんが悪いだけでしょ」
私はどう頑張っても、和泉くんに刃向える気がしなかった。