和泉くんの考えてることはわからない。



熱中症なんて、小学生以来かな。


またお婆ちゃんに心配かけちゃうな。



遠のきそうな意識の中で、ぼんやりとそんなことを考えた。




──────ワーッ…!!



グラウンドの方から、何やら歓声が聞こえてくる。




試合、終わったのかな。



熱に浮かされて途切れそうな意識の中でも、私はやっぱり和泉くんの姿が頭に浮かぶ。






「……いずみ、く───」



私の意識は、そこまでだった。




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