和泉くんの考えてることはわからない。




「……あ!そういえば決勝は!?」



保健室へ一緒に行く途中で、男子サッカーのことを思い出した。


意識が途切れる寸前、コート付近で異常に盛り上がってたあれ。




「あー、それね」

「……、」


思い出したかのように、和泉くんが抑揚のない声で呟く。



その声のトーンがあまり嬉しい報告ではない気がして、私は覚悟をして次の言葉を待っていたんだけれど。





「勝ったよ」



サラッと出たその言葉は、まさかの勝利宣言。



< 98 / 326 >

この作品をシェア

pagetop