和泉くんの考えてることはわからない。
「……あ!そういえば決勝は!?」
保健室へ一緒に行く途中で、男子サッカーのことを思い出した。
意識が途切れる寸前、コート付近で異常に盛り上がってたあれ。
「あー、それね」
「……、」
思い出したかのように、和泉くんが抑揚のない声で呟く。
その声のトーンがあまり嬉しい報告ではない気がして、私は覚悟をして次の言葉を待っていたんだけれど。
「勝ったよ」
サラッと出たその言葉は、まさかの勝利宣言。