天然お姫様は最強総長様!
下に降りると皆が心配そうに見てきた。
なーんだ。皆分かってたんだ。……私だけ除け者か。あの時と一緒。
大事なことも全部、私だけが知らない。
もうそんなのは、嫌なのに……。
「あ、あの!麗……さん!」
倉庫を出ようとしたとき、幹部室から優樹菜ちゃんが慌てて出てきた。
「……どうしたの?」
優樹菜ちゃんが側に来て、私を見上げる。
瞳が不安そうに揺れている。
「あの、わ、私なんかが麗さんと一緒に姫になっても良いんですか?嫌なら言ってください!」
優樹菜ちゃんの気迫で思わずよろけそうになる。
そんなに不安なら、なんでここに来たの?
あなたは……裏の世界の恐さを知っている?
……なんて、声には出さないけどね。
「……自分自身を信じてみるだけでいい。きっと道が見えてくる。」
「え?」
優樹菜ちゃんの頭を優しくポンポンッとしたあと、今度こそ倉庫から出た。