天然お姫様は最強総長様!
「アキとか元気?」
『おう。いつも元気。もう少し静かにして欲しいし。』
「あはは。かわいそー。」
あと三メートルぐらいですれ違う。
意識しなければ大丈夫。あいつらなんてどうってこと無い。
『麗、思ってないだろ。』
「あ、ばれたぁ?カナは何でも分かっちゃうね~。」
『いやいや、今のめっちゃ棒読みだったし。誰でも分かるだろ。』
「マジか。」
すれ違う直前、現姫は総長様の腕をつかんで震えていた。
演技がお上手で。
呆れながらカナとの電話を切る。
今日もカナと喋れたし、もう少し頑張ろ~!
ウキウキ気分で歩いていたら……
「おい。」
後ろから盛大な殺気が。
「……なんですか~?」
せっかくカナと喋れてウキウキしてたのに。
テンションがた落ちだよ。
「俺ら裏切ったくせによくそんな態度で居られるな。」