短編集
私が急に泣きたくなったのは廉に相談に乗ってほしかったから。
辛かったね、って一言声をかけてほ
しいんだ。
そのくせ、バレたくないって気持ちもあって。
「わがままだな、私……。」
学校のチャイムが微かに聞こえた。
行きたくないけど、もし電話が家にまで行ってたら。
みんなが心配する。
「行かないと。」
坂の途中でしゃがみこんでいた私。
この坂は、学校までの道。
学校へ行けば、私はまたボコボコにされる。
それでも絶対、休むもんか。