短編集
『俺はお前のこと、好きやけどなぁ。』



欲しくなったときに、そう言ってくれる彼が私は大好きだった。


昔みたいに無邪気な笑顔で笑ってほしい。
昔みたいに楽しくお喋りしたい。


でも、もう、今さら遅いよ。
そんな言葉、もう私は望んでないよ。


寂しいって素直に言えない私も悪いかもしれない。
でも彼氏ならそれくらい気づいてほしい。



仕事が忙しいかもしれない。
私より可愛い子がいるかもしれない。



私はあなたのために頑張ってきた。
私は私のためにも頑張った。


昔から人気だった大毅。

“夏目大毅”の彼女って肩書きが私を苦しめた事、あなたは知ってる?




【正直、夏目さんってもったいないですよね。】




【あいつの彼氏、夏目大毅だってさ、受ける。】




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