黒竜(仮)
蓮香の家は見た目はたかそうなマンションだった。
次の日学校で蓮香に挨拶をしたのだが、なぜか無視された。
最初はなんかあったのか?とか心配したけどなんとなくそうではない気がした。
蓮香が何を抱えていて、何に苦しんでいるのかを知りたい。でも、詮索すれば蓮香は仲間を抜けるかもしれない。
悩んでいると海霧が来て俺に話があるっていいだした。
俺は、海霧と一緒に屋上に上がった。
なんでかって?
屋上は俺たち黒竜のメンバー以外は使わないからだ。
「海霧。なんだよ話って?」
そう尋ねると海霧の表情が少し曇ったのがわかった。
「昨日。蓮香ちゃんが帰った後に蓮香ちゃんのこと調べたんだ。そしたら皇龍の元姫だった。しかも皇龍を潰したのは蓮香ちゃんだ。」
俺は驚いた。
「皇龍ってあの薬に手出してた日本最強の暴走族のことか?」
「そうだ。あの皇龍だ。蓮香ちゃんを仲間にしたのはまずかったかもしれない。一応お前の耳には入れといた方がいいと思ってな。話はそれだけだ。じゃ俺は先に戻るから。」
「おぅ」
俺はその一言しか言えないほど混乱していた。
皇龍は、日本で一番強い族だった。
初めは薬なんかに手を出さない族だったのに下っ端から薬が広がって族を蝕んで行った。警察に捕まるやつもいた。でもある日その族は女1人にボコボコにされて壊滅したって聞いた。その女ってのが蓮香だったなんて。
俺は事実を受け止めきれずに倉庫の個室で寝転がっていた。

蓮香はこのことを隠してたのかとか蓮香も薬をやってたかもしれないとかいろんなことが浮かんできて頭の中はいっぱいいっぱいだった。
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