ダメだ、またコイツに。
最悪です。
もうそろそろ私は耐えきれません!!
佐お兄ちゃん、卒業してからは近所の高校に通うと思ってたのに。
加藤家東京に引っ越すんだったの!?
幼なじみの私にも言ってくれなかったんだ。
「これでいよいよ本当に佐お兄ちゃんに会えなくなるじゃん!」
すでに泣きそうになる私に、周くんは鬱陶しそう。
「そんなの電話でもなんでもできるだろ!俺だって新幹線の時間あるんだよ!」
イラ立ちながらカバンを持ち直す周くん。
朝からいきなり家に呼び出すと思ったら、
『俺もやっぱり家族のいる東京に引っ越すわ。この前は面倒見るとか無責任なこと言って悪かったな』
って、そんなサラリとした引越しがありますか!?