ダメだ、またコイツに。


「日和ちゃんがこんなにも悲しんでくれるなんて、俺何だか嬉しいなぁ」



さっきの卒業式でもらった花束を持ち直し、佐お兄ちゃんは困ったような笑顔で私の頭を撫でてくれる。


優しくておおきくてあたたかい手。


私の髪が崩れないように、ゆっくりと撫でてくれてるのが分かる。

余計に涙が溢れてきた。




私双海日和(ふたみひより)は、今世界で一番幸せ者で、今世界で一番不幸者です…。



私が中2で佐お兄ちゃんが高1になる。

2歳差というのは、なんとも言えない距離。

なんとも埋めがたい距離。

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