ダメだ、またコイツに。
「あたり。まぁ遅刻確定だけどな」
「待ってなんで周くんがいるの?本物!?」
「てゆーか横断歩道から出ない?危ないんだけど」
周くん(らしき高校生)は、混乱する私と肩を組み、冷静に向こう側まで引っ張っていく。
なんでこんな落ち着いてるの…周くんが冷静なのはいつもだけど。
「ねえ本物の周くん?」
「そうだってば。それとも日和は、俺に意地悪されないと信じられない?」
「!
け、けっこうです!」
大声で笑う周くん。
私は周くんの肩から逃れ、改めて3年ぶりの周くんをまじまじと見た。