ダメだ、またコイツに。


「おーい佐!集合写真!」


佐お兄ちゃんの友達が呼んでいる。


「…あっ、ごめん日和ちゃん。また後でね、待ってて!」


「うん…」



もうすでにびしょびしょなセーラー服の袖で涙を拭きつつ、佐お兄ちゃんを見送った。

走っていく後ろ姿がもうすでにかっこいい。

あ、ちょっと隠し撮りしたいぐらいかっこいい。



そんなことを考えつつ、ボーッと突っ立っていると。





「なあ寂しい??」





さっきまで佐お兄ちゃんの手のひらがのっていた頭に、ズシリと重みが。


この声は…。



「あ、周くん……?」



周くんらしき人は、背後から私の頭の上に両腕を置き、体重をかけてきた。



「せいかい」


周くんはどんどん私の頭に体重をかけてくる。

< 5 / 85 >

この作品をシェア

pagetop