ダメだ、またコイツに。
「おーい佐!集合写真!」
佐お兄ちゃんの友達が呼んでいる。
「…あっ、ごめん日和ちゃん。また後でね、待ってて!」
「うん…」
もうすでにびしょびしょなセーラー服の袖で涙を拭きつつ、佐お兄ちゃんを見送った。
走っていく後ろ姿がもうすでにかっこいい。
あ、ちょっと隠し撮りしたいぐらいかっこいい。
そんなことを考えつつ、ボーッと突っ立っていると。
「なあ寂しい??」
さっきまで佐お兄ちゃんの手のひらがのっていた頭に、ズシリと重みが。
この声は…。
「あ、周くん……?」
周くんらしき人は、背後から私の頭の上に両腕を置き、体重をかけてきた。
「せいかい」
周くんはどんどん私の頭に体重をかけてくる。