見た目通りには行かない
本家

麗side






バタンと扉を閉めて大きく深呼吸する
やっと、呼吸ができた
緊張したー!


それより、社長?
本当に?


昨日変な人に絡まれた時に出会ったイケメン二人組は……
この正木コーポレーションの社長と秘書だった

たぶん、あの秘書の人は実質のNo.2だろう
同じ正木だったな、兄弟?親戚?


いやいや、そんな事はどうだっていい
え?なんだっけ?今日?
さっきまでの会話を思い出す



部長に爆弾を落とされて、行ったこともない階を押して
長い長い廊下を歩いて
入ったことない社長室へ行ったらこれだ


「今日の夜付き合って」
そう言ったのは秘書の正木さん
昨日のお礼しろと言うことなのだろうか?

それはそれで、礼儀としてぜひともお願いしたい
助けてもらったことは事実だし
面倒な事にならずに済んだのだから

あんな道の往来で人を投げ飛ばしていたら……


でも、社長に?
お礼って食事だよね?

はぁーっとまた出たのは緊張なのか、今夜の事を思ってなのか…
でも、まあ今日だけだ
あっ、さすがにいつもの定食と言うわけにはいかない
おじさんの元気な声が聞きたくなった


自分の財布の中身を思い出して………
足りるだろうか……とまた、ため息が出た


こんな時はひとまず稽古に行って落ち着きたい


就業後に地下の駐車場で待つように言われたけど………
さすがに、行かないとまずい


社長との食事と稽古を天秤に掛けて稽古にぐらつく気持ちを必死で耐えた



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