見た目通りには行かない
幸輝side
「竜、飲みに行こうぜ」
尊と麗ちゃんを二人で行くように促して玄関まで送った
竜もいてたので車が発進してからそう竜を誘えば、竜はわかってたように「あぁ」と答えた
色々聞きたいじゃん?
川口麗の事を
「いつもの所でいいか?」
そう言って二人で出掛けて色気もない居酒屋に入った
中から粋のいい店主である親父の声が聞こえる
「お?今日は二人か?」
「あぁ」
「なんだ、尊は女か?」
親父が小指を立てた
俺達が苦笑いすると親父はニヤリと笑った
「拗ねてお前らは色気もねぇとこにきたのか?」
「「拗ねてねぇし」」
二人で声を揃えて笑えた
きっと、親父は俺達の微妙な空気を察したんだろう
有難い
でも、そんな事言えない俺たちは「本当にここは色気ねぇな」と毒をはいて笑う
古い店構えに、豪快な親父
確かに若い女は来ないだろう。
でも、俺達も含め親父に会いにくるやつもたくさんいる
組員も何人か行きつけらしい
「たまに、いや結構な頻度で来る若い女の子が来てるんだけどな」
「へぇ」
「まぁ、男みたいな子だけどな、いい女だよ
この前デートって言ってたから彼氏ができたかもな」
「彼氏出来たならもう寄り付かねぇんじゃねぇか?」
「バカ言うな!俺とあの子はそんな浅い関係じゃねぇんだよ」
そう言って豪快に笑ったけど、
「でも、尊にさすがにここに彼女を連れてこいとは言えねぇな
俺が見定めてやりたいけどな」と言った