見た目通りには行かない
「小学校の時に親が離婚して、俺の親権は二人とも放棄した
親がいない誰も帰ってこない家に一人でいて、小学校の時は学校の方が良かったから行ってたけど
中学になったら学校にも行かず薬に手を出すのは早かったよ
金だけはきちんと振り込まれてたからな
そんなときにふらっと行った学校で煙草吸ってたら、川口に会ったんだ
胴着を来てまだ幼い川口は俺を見ると怯えるもなくただ、体に悪いですよ?皆に心配かけたらだめ!って」
「へぇー、中1の麗ちゃんかー、犯罪的に可愛いだろうな」
「…………可愛かった、ヤバイくらい」
「へぇー、竜もやっぱ惚れてた?」
「かもな、それより、俺の心配なんてしてくれるヤツなんて居なかったから………どんどん執着した
惚れてるとは違うのかも知れない」
「執着?」
「川口は"俺の"って
薬もやってたし、壊れてたんだろうな
朝練に行く川口を俺のもんにするために待ち伏せして……」
「まさか!ヤっちゃった?」
竜はジロッと睨み付けて
「未遂、組長に助けられた
投げられて我に返って」
「そっか………」
組長の一本背負いか
あれを受けた竜を想像すると身震いする
川口麗の言ってたのもこの事だな
竜がうちに来た経緯は初めて知った
竜はうちに連れて来られてからも素直に従ったわけじゃなく副作用や禁断症状もあって大変だったらしい
そんなことあったなんて知らなかった
尊は知ってたのだろうか