見た目通りには行かない
「でさ、一週間たったくらいに住んでた所に連れて行かれたんだ
そこに川口がいた」
「え?」
「俺の事心配だったんだろ?さすがに、組長がただの男とは思ってないだろうしな
組長には「お前の表札があのままだとあの姉ちゃんはずっと通い続けるだろうな、うちに来い!立派になってねぇちゃんと再会して謝れ」そう言われて」
漸く現実を受け入れたらしい
そのあともう一度家を見に行ったら麗ちゃんの姿はなかったらしい
それでも、禁断症状がなくなるわけではなかったから暫くは大変だったと
「川口は俺の恩人だよ
組長やお前らに会わせてくれたし、俺の事を心配してくれた唯一のヤツだから………誰より大事」
竜は財布から一枚の紙を出した
ボロボロでテープで繋ぎあわせていた
「ドアの前に貼ってた」
俺は竜に了解を得て、破らないように紙を広げた
"先輩!頑張ってください!いつか会えますように"
中1らしい可愛い文字
なんか、麗ちゃんらしい
「たぶん、川口は組長が連れて行ったのはわかってたんだと思うよ
まさか、10年後までとは思ってなかったかも知れねぇけどな」
「お前が女作らないのはこれか?」
竜もかなりモテるしいい男だ
だけど、付き合った女はいない
あ、寝る女は居るだろうけどな
「麗ちゃんいい女だからなぁ、また惚れるんじゃね?尊と取り合いか?」
竜は意味ありげに笑うと「お前だろ」と言った
俺の心臓が大きく音を立てた