見た目通りには行かない





「好きだとは言わないのは何か理由があるのかなー?」


昨日の出来事出来るだけ簡潔に話をすれば七瀬さんも不思議そうにして首を傾げた



「そもそも、私の事好きではないんじゃ……」

「いやいや、だって一目惚れって言われたんでしょ?」

「はい、でも……」



私に一目惚れなんて……社長が?
ますます、疑わしい


「でも、好きなんですか?って聞いたら普通は肯定とか否定しないですか?
好きって言葉を避けてる気がするし……」

「麗ちゃんはそのカレに距離を感じてるんだよね」

「距離?」

「麗ちゃんの思ってる通り、怖がってるんだと思うよ」

「そうかな?」

「そこで手を離された麗ちゃんは寂しかったんだよね?
距離を感じちゃって辛いのかな?」

「そんなの………」



そんな、寂しいとか辛いとか………
何かそれって、私が社長のこと………


「麗ちゃんはそのカレの事を好きなんだね」


ピシャリと七瀬さんに言われて動揺する



「ま、まさか!私が社長を?」

「え?そのカレって社長なの?麗ちゃんの会社って確か………
え?ええ?たけっ……」


七瀬さんは、はっと口許を押さえて大きな瞳をさらに大きくさせた

たけ?竹?

私は七瀬さんを見つめながら首を傾げた




「う、麗ちゃん………」

「は、はい」



七瀬さんの緊張した声に思わずこっちまで緊張する


< 46 / 98 >

この作品をシェア

pagetop