見た目通りには行かない






「何故だかわからないけど、そのカレが何かに怖がってるのなら……
もし、麗ちゃんがそのカレの事を好きなら……
好きだとは言われてないかも知れないけど手を取ってあげて」

「七瀬さん?」

「距離を感じて辛いかも知れないけど私が麗ちゃんからの話を聞いて感じるのはきっとカレは麗ちゃんの事好きだよ?
麗ちゃんはとっても魅力的だもん
手を取って付き合ってあげて?
それでもなかなか好きって言ってくれないなら別れちゃいな!
好きじゃないなら別れるって啖呵切っちゃいな!」

「ええ?それで本当に別れたらどうするの?」

「ふふっ、きっとその人は好きでもない人と付き合えるほど器用じゃないんじゃない?
きっと好きだって言ってくれるよ!」



七瀬さんの自信満々な様子に若干引いてしまう
でも、確かに軟派な感じはしなかったな



「で、でも付き合ってなんて言われてないよ」


言われてないのに、手を取るとか付き合ってあげるとか……
どんだけ上から……



「誰にも渡したくないって言われたんでしょ?」

「で、でも……」

「隣に並んで良いですか?とか、私で良いですか?とか?」

「えぇ?」

「手を」

「え?」

「出してあげて?」


七瀬さん?
七瀬さんは優しく笑った



「それにしても!」

「え?」

七瀬さんは私を見てもう一度笑った



「見る目あるわ~」



それはそれは新しいオモチャを見つけた子供のように
楽しそうに








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