見た目通りには行かない
出会い

麗side





「あー、なんか疲れちゃった」


ぐーっと大きく伸びをして身体全体を伸ばした

先日、会社の同僚に連れて行かれたのは合コン

経験がないわけではなかったけど、ただの飲み会ではないその雰囲気は少し苦手
それでも、みんなで飲んだり話をするのは好きなので彼氏がいない今、合コンは断ったりはしない


今日はその合コンで出会った高島さんと食事に行った

気さくで笑うと端整な顔が可愛くなって何となくキュンとした
一流商社の営業マンだけあって話も上手だったし


彼氏欲しい~なんて思ってる訳では無かったけど食事に誘われた時は少し期待したのも事実


連れて行ってもらったのはホテルのイタリアン
いきなりの高級さに面食らいながらも楽しく食事して先程別れた


まだ、夜の10時と言う時間に送ってくれた終始紳士的な彼に好感を持たない女性はいないだろう

去っていく車を送ったあと、大きく伸びをしたのだ


くるっと身体を回転させて一人暮らしのマンションとは反対の方向へ足を向ける

目当ての店の看板が見えてくると嬉しくなる

からからっと少し古い扉の小気味いい音がすれば中からこれまた威勢のいい声が聞こえる



「おっ!麗ちゃんいらっしゃい」

「おじさん、いつもの~」

「はいよ」


カウンターに腰掛けるとおじさんがニヤニヤと笑っていた


「デートの帰りか?」

「うーん、そうなるのかな?」


いや、あれはれっきとしたデートだ
また、会ってもらえますか?と言われてそれがただの友達としてではないこともわかっている





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