見た目通りには行かない





最後はあまりいい付き合いじゃなかったみたいで別れ方も最悪だったと和也から聞いた

それから、恋愛に臆病になったとも

尊くんは、同じ歳だけど和也や光輝くんに比べるとすごく大人に感じる
二人はお似合いだと思う

美男美女よね



「七瀬、尊の事は麗ちゃんから聞いた?」

「うん、尊くんも漸く忘れられるかな!」


光輝くんがこっそりと耳打ちしてきて、うんうん、と頷いた
嫌な恋愛は早く忘れて欲しいから

気持ちがわからないと悩んでいた麗ちゃんは今日は幸せそうだし



「光輝!七瀬に近付きすぎ」

「麗……」



私は和也に、麗ちゃんは尊くんに結局は三人の席に連れていかれてしまった








「ねぇ?あれ、本当に尊くん?」

「妹と尊が……複雑だな」



光輝くんはいつもの事だよ、と少し寂しそうに笑っていた




尊くんと麗ちゃんは端っこに座ってしまって
尊くんに限っては私たちに背中を向けて隣に座る麗ちゃんの方を向いてしまっている


ずっと麗ちゃんの髪の毛を触ったり頭を撫でたり
キスするんじゃないのってくらい近づいたり


麗ちゃんはあまりわかっていないのかお酒を飲みながら楽しそうに話をしてる様だった



「あの甘ったるい雰囲気に平然とガブガブ酒を飲んでる妹が怖いわー」


和也は、揶揄しながらもやっぱり、複雑な顔をしている

尊くんがあんなにべたべたする人だとは思わなかった
しかも、人前で




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