見た目通りには行かない
「高島さん来たら更に女の視線が強くなったね~」
たまたま、会った居酒屋は親父ばっかりで、俺は初めて行ったけどこの二人は常連で川口さんも常連だったらしい
雰囲気もよくて、俺もその日以降行くようになった
今日はそこには行けないから、ここ
いつものところとは違いチェーン店の居酒屋は老若男女問わず賑わっている
「まぁ、それにしても骨抜きにされたねー」
「は?あ、もしかして………」
「そ、とうとう尊も正式に麗ちゃんの男」
わかってはいたが、改めて聞かされると少し胸が傷んだ
たまたま出会ったあの日、光輝から尊の昔のことを、チラッと聞いた
恋愛から遠ざかっていた尊の過去
「好き」だと言えないジレンマ
言えば離れてしまうのではないか
あの時に、川口さんが彼氏だと言うのに戸惑った理由がわかった
まぁ、その後にちゃんと言えたらしいけど
光輝曰く、「麗ちゃんの方が男前」らしい
きっと川口さんが色々きっかけを作ってくれてるのだろう
それでも、光輝は下世話な話ばっかりで「大人の男女がプラトニックなんて!」と言ってたから
今の会話で二人が漸く……って所か
「やっと俺も吹っ切れるよ」
「そうだな」
結局、このメンバーって川口麗に惚れてるやつで構成されてる