見た目通りには行かない





「デ………!!」


デレデレと言葉が出そうになった
あの顔、若が一人で笑っている時の顔だ
いやいや、その時より締まりがない



しかも、話をしながらも若の手は麗さんの背中や腰を触っている
いや触っているというより、べたべたと………

いくら、親友の彼女でもそれは良くないじゃないですか?


「いつでも、来ればいい
もうすぐお前の家にもなるんだ」


そう言うと、麗さんの頬にキスをした
ちょっと!
それは行き過ぎです!
スキンシップが過剰でしょう!

しかも若、今まで俺たちの前でも元カノでさえもそんな事したこと無かったじゃないですか!
竜さんの彼女にやったら…………

え?
"お前の家?"
もしかして?



「麗さん、竜さんと結婚されるんですか?」

「え?」



麗さんは不思議そうに首を傾けた
あれ?
違うのか?



「麗……」


そう言うと、若は麗さんにキスをした
頬じゃない
がっつり、唇にしっかりと!


「た、尊………」


麗さんが若を引き離して、一瞬ではあったが


「もうっ、人の前で………」


恥ずかしそうに俯く麗さんに若は少し顔を赤くして口を押さえた
これは、悶絶ってやつではありませんか?
若はいま、たぶん男の性を押さえている!


「麗……俺の部屋に行こう、我慢できねぇ」

「あ、ちょ、ちょっと!私、稽古に!」

「ダメだ、先に俺に抱かれろ!毎日でも抱きたいって言っただろ」


若はそのまま麗さんを連れていってしまった




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