見た目通りには行かない
「ドレス姿は見せれたから良かったのかな……」寂しそうに笑った麗ちゃんの顔は忘れられない
そんな事で、本家にも麗ちゃんの実家にも女手がなかったのもあって正直戸惑った
どうしたら良いのか、全くわからない
悪阻の時なんて見てられなくて
「麗姐さん死なないっすよね?」なんてマジで聞いてくる組員は一人二人じゃなかった
そんな俺たちの過保護よりも大変だったのが尊だ
安定期に入る前は「抱けない」「いつから抱ける?」と愚痴り、安定期入った後も「毎日抱けない」とグチグチ
産まれたあとは、もっと酷い
「羨ましい」だの「あいつらが麗の胸に吸い付いてるのが腹立つ」「俺の麗なのに!」だの息子達に対して敵意むき出し
で、挙げ句に俺達に息子達を預けて自分は麗ちゃんとイチャイチャしたいのだ
今まさにそれ
「お前らの親父には参るよな」
まだ、意味のわからない腕の中の存在に愚痴ってみた
ただ、口には出さないが俺と竜もこの時間が楽しみでもあるのだ
自分達の子供ではないが、可愛くてしかたない
これが女の子なら嫁になんて行かさないレベルだ
それに、麗ちゃんと出会ってから竜との距離も縮まって色んな話も出来るようになった
縁側で黄昏ながら竜と四人の会話は俺達だけの楽しみだ
こいつらも、いつか好きな女の話でもするのだろうか、ともう少し先の未来も