“あなたを愛しています”
考え込む私を見て、
「花奈ちゃん、天然やなぁ」
菜々子ちゃんは面白そうに笑った。
面白そうなのだが、どことなく表情は暗い。
それもそのはず、
「お花の勝負やないかな。
それか、教養とか」
その言葉に震え上がった。
お花の……勝負!?
そんなもの、負けるに決まっている。
私が生けた花を、司君は「小学校の教室にある花」だなんて笑った。
だけどそれを、大切に家に飾ってくれている。
司君を思うと胸が甘く痛む。
私が認めてもらえる可能性なんてほぼないが、それでも精一杯立ち向かおうと決めた。
かっこ悪くてもみっともなくてもいい。
ただ司君が好きだから。