“あなたを愛しています”
そんなやり取りを見て……
修羅場の最中なのに顔が綻んでしまった。
だって、司君の父親も「せやな」なんて頷いていたから。
予想さえしなかった方法で、司君は解放され……私と結婚させてもらえそうだったから!!
「ありがとうございます!!」
何度も頭を下げる私は、相変わらず蚊帳の外で存在無視されたけど……
それでも、無視されることくらいどうでもいいなんて思えてきて、司君と一緒に笑っていた。
こうやって再び司君と笑えることが、すごく幸せだと思った。
繋いだこの手を、もう二度と離したくない。
「花奈ちゃん、東京に帰ろう?」
その言葉に、大きく頷いた。