“あなたを愛しています”






司君の言う通り、彼は最近毎日私を迎えに来る。

そして勝手にオフィスに入り、由希さんや吉川さんにからかわれている。

なんとなくだけど、私を気にしてくれているのかな、と思う。

また司君が京都に連れていかれたりしたら……そんな恐怖は、私の心の奥底に眠っている。

こうやって、司君といられるのが夢ではないか。

だって、司君は想像もつかないほど住む世界が違う人だったから……

だけど、離れたくない、その一心で彼の手を握った。


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