“あなたを愛しています”









温かくて大きな司君の手。

大好きな司君の手。

その手で、私の手をぎゅっと握り返してくれる。

そして、甘える子犬のように彼は私に身を寄せた。




「花奈ちゃん、今日の夜ご飯は何食べる?」



「うーん……最近浪費が激しいからなぁ」





こんな小庶民の悩みなんて、司君には分からないかと思ったけど……





「お金は大切だもんね」




彼はしみじみと言う。




「それじゃ、今日の夜ご飯はカップラーメンで……」



「なっ、なんでそうなるの!?」




不健康極まりないことを言い始める司君に、思わず突っ込んでいた。

そして、あー、司君はカップラーメン食べるんだと思う。



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