“あなたを愛しています”






司君は何かを考えるように遠くを見て、しばらく黙っていた。

心地よい沈黙の中、彼の手を握って幸せを感じる。

司君が好き、大好きだと思う。

そんな私に、



「花奈ちゃん!

今日は俺の家に来てよ」



彼は何かを決意したように告げる。

そして私はこくりと頷いた。






司君の家……それが何を意味するかなんて、分かっていた。

引き延ばして引き延ばしたその瞬間が、ついにやってくる。




恥ずかしげに頰を染める司君が愛しい。

そして、司君以上に私の顔は真っ赤だ。

手を握るだけで焦がれてしまいそう。

キスをしたら倒れそうになった。

これから先、私はどうなってしまうのだろう。


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