“あなたを愛しています”








仕事を終え、オフィスを出る。

そして、司君との新居へと急いだ。






通い慣れた道を歩きながら、ここで司君に出会ったなあとか、あの時の服装へんだったなあなんてしみじみ思う。

関わりたくない変人だったけど、実は凄い人で、あっという間に恋に落ちて……スピード婚したんだ。

スピード婚といっても、今のところ私たちの仲は順調だ。

毎日、司君に愛されているなあと実感する。






満開の桜並木の下を通り過ぎる。

薄暗くなり始めた今、桜の下ではすでに花見という名の宴会が始まっていた。

酒を飲み交わして頰を染める人々を横目に、新居のエントランスをくぐった。





司君、もう仕事終わったかな?

帰ってきているかな?

司君に会えると思うと、胸がきゅんと甘い音を立てた。

やっぱり司君が大好きだ。



< 320 / 353 >

この作品をシェア

pagetop