“あなたを愛しています”
仕事を終え、オフィスを出る。
そして、司君との新居へと急いだ。
通い慣れた道を歩きながら、ここで司君に出会ったなあとか、あの時の服装へんだったなあなんてしみじみ思う。
関わりたくない変人だったけど、実は凄い人で、あっという間に恋に落ちて……スピード婚したんだ。
スピード婚といっても、今のところ私たちの仲は順調だ。
毎日、司君に愛されているなあと実感する。
満開の桜並木の下を通り過ぎる。
薄暗くなり始めた今、桜の下ではすでに花見という名の宴会が始まっていた。
酒を飲み交わして頰を染める人々を横目に、新居のエントランスをくぐった。
司君、もう仕事終わったかな?
帰ってきているかな?
司君に会えると思うと、胸がきゅんと甘い音を立てた。
やっぱり司君が大好きだ。