“あなたを愛しています”






黒色のスタイリッシュな扉を開けると……




「花奈ちゃん、お帰りぃ!!」




大好きなその笑顔で迎えてくれる。

そして、私に向けて伸ばされたその手に飛び込んでいた。





頭が真っ白になるような司君の体温と、お花みたいな香りにやられてしまう。

胸がきゅんきゅんうるさい。

そんな私を抱きしめたまま、司君は言う。




「会いたかったよぉ、花奈ちゃん」





私だって会いたかった。

だけど、そんな恥ずかしいことなかなか言えない。

それなのに、司君は驚くほど素直で直球で、恥ずかしいセリフも何だって言ってしまう。



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