“あなたを愛しています”




司君は毒キノコを食べて大丈夫だったのだろうか。

よいこのみんなはマネしちゃいけない。

……ということは置いておいて……






司君に身を寄せながら、満開の桜を見上げた。

ほんのり明るい街灯に照らされた桜は、美しくも儚い桜吹雪を舞い起こしている。




「京都……桜綺麗なんだろうね」




思わず呟いた私の言葉に、司君は黙って頷く。




「綺麗だけど……

こうやって、花奈ちゃんと見る桜がいちばん綺麗だよぉ」


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