“あなたを愛しています”







だから……






「あのさー、司君……」




花奈ちゃんが俺に言いにくそうに告げる。





「ベランダに、蜂の巣が出来ちゃって。

怖いけど……司君、駆除とか出来ないよね?」





その理由もよく分かる。

花奈ちゃんは心のどこかで、俺をおぼっちゃまだと思っているみたいだ。

だけど……




「あー、出来るよ。

蜂の巣取ったらいいんでしょ?」




俺は白色のパーカーを着て、フードを被る。

そして、殺虫剤を手に取った。




「俺、スズメバチ駆除の超危険バイトしたことあるしぃ」



「えっ!?」



「出来る出来るぅ!!」




そして上機嫌で、パパッと蜂の巣を取ってしまった。



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