愛して、未来

あり得ない屈辱、許せない。




「 最後まではしてません!彼女がいるなんて知らなかった… どうしても美容室で働きたかったから…… 」



女は泣いた。

泣いた方が勝ちだ。

しゃがみ泣き崩れた女に、ハンカチを渡そうとしただけ。

そんな私を思いきり突き飛ばした女は飛び出して行った。



痛……

痛いっ……



手首にものすごい違和感と痛みが。



「 別れます 」

「 え、唯ちゃんそれは…… 」

「 なんで平気でこんなこと出来るの?三度目はいつ? 女の誘惑に勝てないなら私は力丸はいらない! 」

「 唯っ!」



力丸のアパートを飛び出して、私は病院に来た。


手首にヒビが入っていると言われ、怒りよりも悲しさでいっぱいになった。


甘い恋が、苦い恋になってしまった。

それなのに、私の心は力丸を思っている。

それが悔しい。


二度と力丸からの連絡は無視を貫き、会わないよう気を使い避けて避けて、避けて……

別れたと実感するように時が流れた。



私は美容学校を卒業し、国家試験のために就職した美容室で毎日練習に勉強に励んだ。

オーナーの三渕さんは私が営業後に自主練習している時によく電話を掛けている。

まさか、その相手が力丸とは知らず……




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