愛して、未来
視界が暗いにもかかわらず、私の目がはっきりと焼きつけた光景。
裸の力丸の上に股がる裸の女……
長い髪が乱れるように体を隠している。
「 ……唯ちゃ… 」
「 何… やだ、誰っ… 」
涙?
出ません。
怒り?
どう表せと?
私よりもしっくりくる光景。
唖然と放心。
いっそ気を失って倒れて救急車で運ばれてしまいたい。
目の前の二人はあたふたと、急ぎ着替えて女は帰る。
力丸は、ズボンだけ履いて私に近づく。
「 私が高校生だから…… 手を出さない?正当理由がそことはいかにも納得です。
それでも私は彼女だと… それも、今から他人様です 」
「 唯ちゃん… 」
「 大人の男の捌け口は、大人の女に求めて、私はお飾り? 」
やっと、自分が怒りに満ちてるとわかった。
冷静に文句を言ってる私は可愛くない。
泣いて泣いて取り乱し、暴れるくらいが彼女だと思う。
なのに、出来ない。
だから、可愛くない。
「 唯ちゃん、ごめん 」
もう、しないから…… 力丸はそう言った。