愛して、未来
男子の手が私の頬に触れて、髪に触れて、顔を近づけて……
顔を背けると、美鈴はキスをしていた。
嫌だと言いながら嫌ではない様子で……
どうして私、ここにいるの?
充美が止めたのに、こんなコンパだなんて……
私、バカだ。
男子に顔を向けられ近づく……
嫌っ……
目をグッと閉じた時、バン!と弾くようにドアが開いた。
みんなが驚き、言葉がないまま。
「 唯 」
「 どうして…… 」
なんでここにいるの?
目から鱗…… 私の目に写るのは力丸。
その力丸の後ろには充美がいた。
力丸の睨みで男子達は逃げ出し、美鈴は充美が連れ出して、私は力丸に連れ出された。
掴まれた腕は痛くて、離してほしいとも言えず車に乗せられて……
「 仕返しか?」
聞かれてそっぽ向く。
「 私は未遂にもなってません 」
「 減らず口って言うんだぞ、それ 」
「 見事な濡れ場を見た私には未遂以下です 」
「 あれは… 悪かったと思ってるし、だからって同じことして見返すつもりだったの?」
見返す? まさか。
「 私が浮気すれば、おあいこ。それで終わるならそれでいいかと思っただけの事です 」
力丸は車をUターンさせタワーパークの奥駐車場に車を止めた。
街灯の明かりが淡く差込み、二人で沈黙。