ほんもの。
まあ、そんなことだとは思ってましたよ。
あの時も馬鹿にしたような感じで、ねえ? なんて、昔の私に同意を求めてみる。
「それでも、言ったろ。興味があった」
「私が三島さんと死ぬんじゃないかって?」
「それもあったかもな。行く末を見ようって前に、終わったけど」
曲がり角。
私は家が近づくと、ちょっと緊張してきた。
安藤は何も言わずに、家の前に車を停める。
「こっち側、駐車場だからどこ停めても良いって」
「……もしかしてとは思ってたけど、これ月白の家の駐車場?」
「私のじゃなくて、お父さんのだけど」