君は太陽
「そうかい?」
「はい。昔から、親よりも先に俺の異変とか気づいてくれてたじゃないですか」
「そうだったかなあ」
ハハッ、と笑う姿は、実年齢よりも若く見える。
「あの店に入ろうか」
逢沢さんの指した方向には、コーヒーショップ。
「俺は昼飯食べたのでいいですけど、逢沢さん、お昼は?」
「私はまだだけど、この店のホットドッグが久々に食べたくてね。いいかな?」
「そういうことなら」
俺の返事に逢沢さんが笑顔になる。
店に入り、俺はコーヒーを頼み、逢沢さんはコーヒーとホットドッグのセットを注文する。
店内奥の二人掛けのテーブルに腰を掛け、逢沢さんがホットドッグを一口頬張ったのを確認してから、俺は今日起こった出来事を話していた。
「実は、彼女に逃げられまして」
「逃げられたとはちょっと物騒だな」
苦笑いの逢沢さんに乾いた笑いを向け、続きを話す。
「なんでも、彼女の父親が政略結婚をすることになって、それを聞いた母親が身を引いたらしいんですよ。だから、俺と付き合うことによって、その父親とどこかで知り合ってしまったら、迷惑をかけるかも知れないって思っているらしくて」
「迷惑?」
「はい。俺や、俺の家族だけじゃなくて、父親の方も気にしているらしいんです」
「優しい子なんだね、蒼大くんの彼女は」
「はい、本当に優しくて可愛くて。結衣は俺にはもったいないくらいの子なんです」
「……蒼大くんの彼女は、結衣ちゃんっていうのかい?」
咄嗟に結衣の名前を出してしまっていたらしく、逢沢さんが反応を示した。
少し照れながらも、首を縦に振る。
「ずっと一緒にいたいって思ってたんですけど……。こうやって急にいなくなっても、どこに行ったかわからないなんて。俺、彼氏失格ですよね」
「そんなことはないよ」
力強い逢沢さんの言葉に、少しだけ驚いた俺は目を丸くする。
「蒼大くん、諦めてはいけないよ。本当に彼女のことが大事なら、手放したらダメだ」
「でも、探そうにも手がかりがないんです」
すっかり落ち込む俺の前で、逢沢さんは何かを考えているようで、両手を組んで天を仰いでいた。
しばらくすると、ハッとした表情を浮かべた逢沢さんから、驚きの一言が飛び出した。
「蒼大くん。上手くいけば結衣ちゃんに今日中に会えるかも知れない」
「はい。昔から、親よりも先に俺の異変とか気づいてくれてたじゃないですか」
「そうだったかなあ」
ハハッ、と笑う姿は、実年齢よりも若く見える。
「あの店に入ろうか」
逢沢さんの指した方向には、コーヒーショップ。
「俺は昼飯食べたのでいいですけど、逢沢さん、お昼は?」
「私はまだだけど、この店のホットドッグが久々に食べたくてね。いいかな?」
「そういうことなら」
俺の返事に逢沢さんが笑顔になる。
店に入り、俺はコーヒーを頼み、逢沢さんはコーヒーとホットドッグのセットを注文する。
店内奥の二人掛けのテーブルに腰を掛け、逢沢さんがホットドッグを一口頬張ったのを確認してから、俺は今日起こった出来事を話していた。
「実は、彼女に逃げられまして」
「逃げられたとはちょっと物騒だな」
苦笑いの逢沢さんに乾いた笑いを向け、続きを話す。
「なんでも、彼女の父親が政略結婚をすることになって、それを聞いた母親が身を引いたらしいんですよ。だから、俺と付き合うことによって、その父親とどこかで知り合ってしまったら、迷惑をかけるかも知れないって思っているらしくて」
「迷惑?」
「はい。俺や、俺の家族だけじゃなくて、父親の方も気にしているらしいんです」
「優しい子なんだね、蒼大くんの彼女は」
「はい、本当に優しくて可愛くて。結衣は俺にはもったいないくらいの子なんです」
「……蒼大くんの彼女は、結衣ちゃんっていうのかい?」
咄嗟に結衣の名前を出してしまっていたらしく、逢沢さんが反応を示した。
少し照れながらも、首を縦に振る。
「ずっと一緒にいたいって思ってたんですけど……。こうやって急にいなくなっても、どこに行ったかわからないなんて。俺、彼氏失格ですよね」
「そんなことはないよ」
力強い逢沢さんの言葉に、少しだけ驚いた俺は目を丸くする。
「蒼大くん、諦めてはいけないよ。本当に彼女のことが大事なら、手放したらダメだ」
「でも、探そうにも手がかりがないんです」
すっかり落ち込む俺の前で、逢沢さんは何かを考えているようで、両手を組んで天を仰いでいた。
しばらくすると、ハッとした表情を浮かべた逢沢さんから、驚きの一言が飛び出した。
「蒼大くん。上手くいけば結衣ちゃんに今日中に会えるかも知れない」