君は太陽
素直な気持ちで
ザザーン、ザザーン……
砂浜に、寄せては返す波の音が響く。
目の前には、透き通った海。上を見上げると、綺麗なオレンジ色の太陽が、丸々と浮かんでいる。
母の写真に導かれるように、この虹島にやってきて二日目。私は、到着した昨日と同じように、こうやって海に沈んでいく夕陽を眺めていた。
水曜日の朝一番の飛行機で地元を離れ、フェリーで乗り継ぎやって来た虹島は、私の予想以上に綺麗な場所だった。
太陽に反射してキラキラ光る透き通った海に、振り返れば緑豊かな山々が広がっていて、景色を見てるだけで気分が落ち着いてくる。
今、私が泊まっているホテルも、海も山も見渡せる立地のいい場所に建てられている。
昨晩の夕食も、海の幸も山の幸もぎっしりと詰まった豪華なもので、松嶋くんとちゃんと話さずに逃げてきた私にはもったいないくらいのものだった。
結局、この二日でわかったことは、私が弱虫だということ、そして、松嶋くんのことがたまらなく好きだということ。
食事をしていても、綺麗な風景を見ていても、松嶋くんに食べてもらいたい、松嶋くんと一緒に見たいって思う。
今頃、私のことを心配してくれてるんだろうなって思ったら、どうしてこんなことをしているんだろうと深く後悔をしてしまう。
ここまで来てこんなにうじうじとなっているくらいなら、瑞穂ちゃんが言うように、最初から松嶋くんと向き合えばよかったのに。
「バカだなあ、私……」
小さくつぶやいた後悔の念は、さざ波の音に消されていく。
「会いたいよ、蒼大くん」
ずっと言いたかったけど直接言えなかった彼の名前をつぶやくと、遠くから、松嶋くんが私を呼ぶ声が聞こえてくるような気がした。
松嶋くんの声が聞こえるなんて、私も重症だな。
やっぱり明日、ちゃんと帰って松嶋くんと向き合おう。
そう決意して、ホテルへ帰ろうと振り返ったその時、私の目に飛び込んできた影に、私は目を丸くした。
「結衣っ!」
「松嶋くん……?」
居るはずもないその人に、体をギュッと抱きしめられる。
この感触、この匂い。
砂浜に、寄せては返す波の音が響く。
目の前には、透き通った海。上を見上げると、綺麗なオレンジ色の太陽が、丸々と浮かんでいる。
母の写真に導かれるように、この虹島にやってきて二日目。私は、到着した昨日と同じように、こうやって海に沈んでいく夕陽を眺めていた。
水曜日の朝一番の飛行機で地元を離れ、フェリーで乗り継ぎやって来た虹島は、私の予想以上に綺麗な場所だった。
太陽に反射してキラキラ光る透き通った海に、振り返れば緑豊かな山々が広がっていて、景色を見てるだけで気分が落ち着いてくる。
今、私が泊まっているホテルも、海も山も見渡せる立地のいい場所に建てられている。
昨晩の夕食も、海の幸も山の幸もぎっしりと詰まった豪華なもので、松嶋くんとちゃんと話さずに逃げてきた私にはもったいないくらいのものだった。
結局、この二日でわかったことは、私が弱虫だということ、そして、松嶋くんのことがたまらなく好きだということ。
食事をしていても、綺麗な風景を見ていても、松嶋くんに食べてもらいたい、松嶋くんと一緒に見たいって思う。
今頃、私のことを心配してくれてるんだろうなって思ったら、どうしてこんなことをしているんだろうと深く後悔をしてしまう。
ここまで来てこんなにうじうじとなっているくらいなら、瑞穂ちゃんが言うように、最初から松嶋くんと向き合えばよかったのに。
「バカだなあ、私……」
小さくつぶやいた後悔の念は、さざ波の音に消されていく。
「会いたいよ、蒼大くん」
ずっと言いたかったけど直接言えなかった彼の名前をつぶやくと、遠くから、松嶋くんが私を呼ぶ声が聞こえてくるような気がした。
松嶋くんの声が聞こえるなんて、私も重症だな。
やっぱり明日、ちゃんと帰って松嶋くんと向き合おう。
そう決意して、ホテルへ帰ろうと振り返ったその時、私の目に飛び込んできた影に、私は目を丸くした。
「結衣っ!」
「松嶋くん……?」
居るはずもないその人に、体をギュッと抱きしめられる。
この感触、この匂い。