蓼科家物語 四女 桜和の話
菫「ふーーん。で、どこ行くの?」
桃「私と暖弥の部屋」
菫「そう、ついに休む気になったの。よかった。ゆっくり休んでね」
桃「………ありがとう」
桃葉さんは少し眉を寄せてたけど慣れたように言葉を交わした。
菫「代わりにお店、私が出る。あなた、桃姉をよろしく」
春「ああ、わかった」
菫「うわ…しゃべった」
ん?今の言葉どこかで……。それより俺、そんなに喋らなそうな顔してるだろうか。てか、なんか……桜和にすごい似てるな、口調とか……。
それから少し行くと部屋についたようで桃葉さんが「ここです」と言いながら、中に入った。
放っとくと沈黙が続きそうなので先にこちらから話を振った。
春「なんか…さっきの子、桜和に似てますね」
桃「桜和に?桜和を知ってるんですか?」
春「はい、偶然会って……」
桃「あ、そういえば暖弥が言ってたような気がします。さっきの子は私の妹でまあ、妹5人いるんですけど、あの子は姉妹でいうと三番目です。……桜和と菫亜が似てるっていうのはたぶん…………桜和が菫亜の真似をしているからだと思います」
春「真似?」
桜「あの2人は年が近いので桜和は憧れているのだと思うんですけど、菫亜が好きすぎてよく真似をしているんです。でも、詰めが甘いから、本心出てること多いですけど」
時折感じる違和感はそれか…なんか、さっぱりしてると思いきや、また会いたいっていうと、すごい嬉しい反応してくれるし……
そっか、それか……
春「じゃあ、菫亜さんの真似してくれなくなった時に、ようやくほんとうの桜和がわかるってことですか……」
桃「その言い回し…面白いですね」
春「いいこと知れました。ありがとうございます」
桃葉さんと色々話をしているうちに暖弥が帰ってきた。
暖「桃葉!大丈夫?」