し ろ う さ ぎ
……斎川君も誘っていいかな。
……でも断られたら……いや、斎川君に限ってそんなことないよね……多分……。
あー、でもな……怖い……。
……いや。
出来ることがあるならやるって決めた。
出来る、あたしなら大丈夫。
浅い呼吸を落ち着けて、大きく息を吸う。
それからゆっくりはき出して……。
「さ、斎川君……っ!
よかったら一緒に食べよ……っ」
「……え?」
「お、お昼……一緒に……どうかなって……?」
少々ビックリしている斎川君にもう一度小さい声で畳み掛ける。
その返事を待つ間がとても長く、長く感じて……。
クラス中の視線を浴びてることもだんだん分かって消えてしまいたい気持ちだったけど……。
これが、あたしの出来ることで……やり方だ。
この現実を少しでも変えられる方法があるなら迷ってでも納得できる答えを出したい。
「へぇー、良い案じゃん!
のった!
斎川君はどうするー?」
「ありがとう。
一緒に食べさせて貰おうかな」
「よし、決まり決まり~っ。
んじゃ、ここに集まるとして!」