し ろ う さ ぎ
席替えだ
あたしと斎川君の席に集まり、せっせと用意を整えてくれる紗耶。
「あ、そだ!
あたし今日お弁当無いんだった!
ちょっと買ってくるー」
「えっ?
あ、い、いってらっしゃいー……?」
お次は購買に行ってくるようで、パタパタと騒がしく駆けていった。
それを呆然と見送るあたし。
そして気付く。
この空間で今、斎川君と二人だけということに……。
とりあえず立ちっぱなしもなんだし腰掛けるけど……何を話したらいいの!?
「笠井さん、ありがとう」
「……っえ?」
「……一緒にどうって聞いてくれて、すごく嬉しかった」
「斎川君……っ」
「本当……ありがとうね」
「……っううん、そんな……」