し ろ う さ ぎ


……本当はすごく怖かったけど……。



「あたしにも……出来ることがあるなら……したいって思ったんだ。
斎川君、あたしもう……逃げない。
変わりたいって思ってる自分から……」


「……笠井さん……」


「そう、思わせてくれたのは斎川君だから……。
少しでも何かしたかったんだっ……」


「今で充分だよ、笠井さん」


「そ、そんな……!
何かあったら言ってね……!
あたしに出来ることなら何でもするよ!」



そう言ったら斎川君は少しビックリしたような顔をしてから笑ってくれた。


あぁ……やっぱり斎川君は笑ってる顔が一番似合う。


そしてその笑顔を隣でこうして見られることに……とても幸せを感じる。



「たっだいま~。
って二人でなにニヤニヤしてんのさーっ!」


「っへ?
あたしニヤニヤしてたっ!?」


「してましたともーっ!
教えなさーいっ」


「えぇー、なんにもないってー?
それよりほら早くお昼食べよ!」



聞きたがる紗耶を急かして席に着く。


三人で色んな話で盛り上がったりしてお昼休みはあっという間に終わっていった。


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