し ろ う さ ぎ
人見知りという性格が災いして、しどろもどろになっちゃった……。
一応ニコリと出来たのかは不明だけど、気持ちしておく。
彼は真っ直ぐにあたしを見つめている。
───────────…その瞳を。
あたしはどこかで見つめたことがあった気がした。
思い出せそうで思い出せなくて。
なんだろう……?
この変な気持ち……。
それにこんなにも既視感を覚えることがあったなら覚えてるはずなのに。
「よろしくね、笠井さん」
「よ、よろしく!!」
ボーッと考えていたら、あの綺麗な声で返事を返してくれてハッとする。
予想外の結果に思わず力む返事。
声が大きくて案の定クラスからの笑い者にされてしまいましたが。
「な、なんか……ごめん。
斎川君まで巻き込んじゃったみたいで……っ」
「いいよ。
気にしてないし?」