し ろ う さ ぎ


「ちょ、ちょちょ!
頭上げてって……!」




このまま放っておくと土下座までしそうな勢いの紗耶を慌てて止める。


迎えた文化祭当日、学校が解放される前に紗耶の元へ行こうと弱る自分に喝を入れた時にまさかの紗耶から来てくれて。


何を言われることになるのかと怖さのあまり身震いが止められないでいると実は謝罪だったという結末で……。



「……ちづが心配して言ってくれたことが図星で……意地張っちゃったんだ……。
本当は……どうでもよくなかったのに……」


「そっかぁ。
それで将希君とは、その……仲直りできた……?」


「……うんっ。
翔太に……あ、榊原翔太って言うんだけど将希の親友でさ。
それで翔太に色々と話聞いてもらって……仲直り……出来ました」


「それなら今までのことはチャラ!
気にしないでってすぐには難しいかもしれないけどさ?
あたしは紗耶が仲直りしてくれてそれで充分」


「……なんで……そこまで優しいの……!
……いつか漬け込まれちゃう……」

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