し ろ う さ ぎ
「ちょっとビックリしたけど……大丈夫」
「あ、あの……これからどこか行く……?」
「そのつもりだったけど、もういいや」
「え……いいの?」
「うん。
笠井さん探しに行こうと思ってた」
……まさかのグッドなのかバッドなのかのタイミング……!
「あ、あたしも実は……斎川君を探してて……き、奇遇ですね……ははは……」
「どうしたのー?
珍しく動揺してるね」
柔らかく笑いながら教室から出てきてくれた斎川君。
皆、文化祭の開幕に夢中で特に気付いた人はいないのか斎川君を引き留める声は上がってこない。