し ろ う さ ぎ



……アオイ……?


年は同じか少し下くらいのように見える。

あたしより背もちょっと小さい。

小さい顔にパッチリとした大きな目。

通った鼻筋に薄めの唇。

フランス人形のような綺麗な顔立ちをしていた。


……どこをとっても負けてる気しか起きない。


こんな可愛い子が斎川君の存在を知ってるってどういうこと!?

そもそも彼女にはあたしなんて最初から眼中にないような素振りだ。




「……なんで葵がここに……」


「だって夏稀君……いなくなっちゃったじゃん……。
本当に突然でビックリしたし……寂しかったの……」



……ん?

あれ……彼女って……一応あたし、だよね?


なのにこの二人がもつ入れない空気感にただ立ち尽くすことしかできない。
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